愛媛・伊方原発の事故を想定 避難者を大分県で受け入れる訓練

3号機が稼働中の愛媛県の伊方原子力発電所で重大な事故が起きた想定のもと、愛媛県の住民の避難者を大分県で受け入れる形での訓練が2年ぶりに行われました。

この防災訓練は、愛媛県伊方町にある四国電力の伊方原発で重大な事故が起きた場合に備えて毎年行われているもので、大分県や愛媛県など92の機関からおよそ2万人が参加しました。

訓練は震度6強の地震により、稼働中の3号機の電源が喪失し、放射能漏れのおそれがあるという想定で始まり、大分県庁からテレビ会議に出席した広瀬知事に対し、愛媛県の中村知事が避難者を受け入れるよう要請しました。

これに対し、広瀬知事は「県内のすべての市町村で受け入れが可能だ」と答え、避難者を受け入れる意向を伝えました。

このあと、感染対策の影響で2年ぶりとなる住民の避難訓練が行われ、大分市の大在港には伊方町の住民11人を乗せた海上自衛隊の支援艦が到着しました。

船からおりた住民は放射性物質が体に付着していないかを確認するスクリーニングを受けたあと、大型バスに乗り込み、杵築市内の避難所に移動しました。

伊方町の60代の男性は「私たちは半島の先に住んでいるので、万が一の時には大分県に世話になるしかない」と話していました。

県危機管理室の加藤茂幸室長補佐は「いざという時に役に立つよう、今後も実践的な訓練を重ねていきたい」と話していました。