障害女子生徒の給食事故死裁判 遺族が“娘に謝って”と訴え

別府市の特別支援学校で障害のある女子生徒が給食をのどに詰まらせて死亡した事故をめぐり、遺族が学校関係者などに賠償を求めている民事裁判で、女子生徒の母親が法廷で「責任逃れや言い訳をせずに娘に謝ってほしい」と訴えました。

6年前の平成28年9月、別府市の南石垣支援学校に通っていた林郁香さん(当時17)が給食をのどに詰まらせて死亡し、遺族は当時の校長ら学校関係者4人と県に対して損害賠償を求める民事裁判を大分地方裁判所に起こしています。

これまでの裁判で遺族側は、郁香さんは食べ物をうまく飲み込むことができず、のどに詰まらせるおそれがあり、見守りなどを怠ったことは重大な過失だと主張しています。

一方で学校関係者や県側は、のどに詰まらせるおそれがあるとは両親から聞かされておらず、必ずしも見守りが必要だという認識はなかったと主張しています。

3日の裁判で、女子生徒の両親の証人尋問が行われ、母親の香織さんは「朝、元気に家を出た郁香が学校で給食を詰まらせて亡くなったのは揺るぎない事実だ。私も福祉の関係の仕事をしているが、食事の時に誰もそばにいなかった状況はありえない。被告側は責任逃れや言い訳をせずに郁香に謝ってほしい」と証言しました。

きょうの裁判で予定されていたすべての証人尋問が終了し、次回の裁判は来年1月27日に行われます。

原告の代理人によりますと、次回結審する可能性もあるということです。