曽我ひとみさん短期大学で講演 被害者救出のため協力を 新潟

佐渡市で北朝鮮に拉致され、その後帰国を果たした曽我ひとみさんが11日、新潟市の短期大学で講演を行い、1日も早い被害者全員の救出のために学生らに協力を呼びかけました。

曽我ひとみさんは、今から46年前の1978年8月、佐渡市の自宅近くの店で買い物をした帰りに母親のミヨシさんと一緒に北朝鮮に拉致され、その後帰国を果たしましたが、92歳になったミヨシさんの行方は今もわかっていません。
拉致問題について若い世代に知ってもらおうと、新潟市西区の明倫短期大学で11日、曽我さんがおよそ60人の学生を対象に講演を行いました。
このなかで、曽我さんは自身が拉致された状況や、北朝鮮での生活などについて話しました。
そして、「私が拉致されて46年、帰国から22年ととても長い年月が過ぎました、過ぎた時間は2度と戻ることはありません。現状は残酷なままで、5人の被害者以外誰ひとり帰国できていません」などと話し、事件から半世紀近くたった今も拉致問題は解決しておらず、被害者や再会を待つ家族が高齢化している現状を伝えていました。
また、母親のミヨシさんについて「高齢の母を思うといてもたってもいられません」などと語ったうえで、「今も日本に帰ることを信じて、北朝鮮で涙している人がいることをわかってください」などと話し、学生に拉致問題の解決に向けた協力を呼びかけていました。
参加した学生は、「自分の生きてきた年月よりも長い間、家族に会えないということはなかなか想像できない」とか、「家族や友人に拉致のことを話したい」などと話していました。
曽我さんは講演のあと、報道陣の取材に対し、「北朝鮮は拉致問題は解決済みと繰り返していますが、日本政府にはあきらめずに1日も早くしっかりと交渉をしてほしい」と話していました。