かがり火に照らし出される幽玄な舞台 “薪能”始まる 佐渡

古くから能楽が盛んな佐渡市で4日夜、ことし最初の薪能が上演され、訪れた人たちがかがり火に照らし出される幽玄な舞台を楽しみました。

能を大成させた「世阿弥」が流されたと伝わる佐渡市では、古くから地元の人たちによって能が演じられ、いまも30あまりの能舞台で毎年、上演されています。
4日夜は佐渡市原黒の椎崎諏訪神社の能舞台で、市内でことし最初となる薪能が地元の愛好家たちによって演じられました。
演目は「羽衣」で、三保の松原の松の枝にかかった美しい衣を浜の漁師が持ち帰ろうとしたところ、天女が舞を披露して返してもらうという物語です。
去年は雨のため室内での上演となりましたが、ことしは天候に恵まれてたきぎに火をともす火入れ式も行われ、観光客など170人あまりがかがり火の中で演じられる幽玄な舞台を楽しんでいました。
東京から訪れた40代の夫婦は「星空のもと野外の古い能舞台での雰囲気がとてもよかったです」と話していました。
また、千葉県から訪れた20代の女性は「薪能は初めての体験でしたが、とても面白かったです。能面は無表情ですが周りの空間に影響されて表情が作られるのだと思いました」と話していました。
佐渡市内ではこれから10月にかけて、薪能が11回上演される予定です。