曽我ひとみさん 佐渡市の拉致問題担当職員として初の署名活動

北朝鮮に拉致され、その後帰国を果たした曽我ひとみさんが、20日、佐渡市で、市の拉致問題を担当する職員となってから初めて署名活動を行い、拉致被害者の救出を訴えました。

曽我ひとみさんは1978年8月、佐渡市の自宅近くの店で買い物した帰りに母親のミヨシさんとともに北朝鮮に拉致され、その後、帰国を果たしましたが92歳になったミヨシさんの行方は今もわかっていません。
曽我さんは拉致被害者の早期帰国のために活動の機会を増やしたいとして今月1日から佐渡市の拉致被害者対策係で勤務しています。
20日は、桜まつりが開かれている市内の真野公園で被害者の救出を願う署名活動が行われ、曽我さんは訪れた人たちに署名の協力を呼びかけたり、救出を願うブルーリボンを手渡したりしていました。
また、署名活動を主催した曽我さんの同級生らでつくる「曽我さん母娘を救う会」の高齢化が進んでいることから、新たな会員を募集するためのチラシも配布していました。
曽我さんは報道陣の取材に対し、「先月、15年ぶりに母の夢をみたのですが、元気そうな姿でこたつに入っていました。今度は実際にその姿を見たいです。母にはとにかく元気でいてほしい」と母親のミヨシさんへの思いを話しました。
また、拉致被害者対策係で勤務することを決めたのは、被害者家族の高齢化により時間がないことが一番の理由だとしたうえで、日本政府に対しては、「長い時間進展がなく、いらだちが募るばかりの毎日です。とにかく日朝交渉の機会を1日でも1時間でも早くつくり、結果が出ることを心から願っています」と話していました。