地震による液状化被害相次いだ新潟市西区 住宅修理の現場は

能登半島地震で液状化などにより住宅の被害が相次いだ新潟市西区では、住宅の傾きを直す工事が進んでいますが、砂丘が広がる部分では工事業者によりますと、地盤がやわらかいところが多く修理費用が高額になる傾向があり、修理をちゅうちょする人もいるということです。

新潟市西区の小針南台にある住宅は、地震にともなう液状化により最大で30センチほど沈み込み、今月上旬から建物の傾きを直す工事を進めています。
19日は、建物を持ち上げるジャッキを支える資材を地中の固い地盤に打ち込む作業が行われていましたが、敷地内に公共のものとみられる配水管が見つかったため、工程の変更を余儀なくされ、工期が1週間ほど延びる見込みです。
この工事を受注し、8年前の熊本地震でも住宅の修理工事を多く請け負った滋賀県の工事業者では、新潟県内での住宅修理工事の依頼が相次ぎ、ことし12月まで予定が埋まっていて、こうしたトラブルは手痛いと言います。
また、新潟市の海岸から広がる砂丘の部分では、工事業者によりますと、地盤がやわらかい場所が多く、修理工事に多くの資材が必要となり、費用が高くなる傾向があるということで、修理をちゅうちょする人もいるということです。
工事業者の中川章社長は、「金額を抑えて持ち上げるのも可能ですが、基礎が折れたり柱が曲がったりする影響が出て最終的に金額が大きくなってしまう」と話していました。
さらに、「人を増やせばなんとかなるという問題ではなく、クオリティーの問題でほかの手、応援の手でできるかというとできません。被災者の方が損をしないよう、1軒ずつ丁寧にやっています」と話していました。