消防士の死亡事故 柏崎市消防本部 体調不良情報共有されず

去年10月、柏崎市の海水浴場で潜水の訓練中に20代の消防士がおぼれて死亡した事故について、柏崎市消防本部が中間報告をまとめました。
この中で、消防士が以前に同様の潜水訓練で体調不良を訴えていたにもかかわらず、上司に共有されていなかったことなどが事故につながった可能性があるとしています。

去年10月、柏崎市の海水浴場で当時26歳の消防士が、24時間勤務のあと時間外勤務として参加した潜水の訓練中におぼれて死亡しました。
この事故を受けて、柏崎市消防本部は第三者委員会を設置して調査を進めていましたが、このほど中間報告をまとめ26日、市議会の常任委員会で明らかにしました。
それによりますと、去年7月と9月に行われていた同様の潜水訓練で、消防士は鼻血や吐き気などの体調不良を訴えていましたが、上司に情報が共有されていなかったということです。
また事故があった訓練の前日にも、消防士が体調不良の不安を抱えていると上司に申告しましたが、予定どおり訓練に参加させたほか訓練では陸上や船からの監視が行われないなど安全管理体制も不十分だったとしています。
委員会で消防側は「職員間の意思疎通に加え、本人からの申告を踏まえた対応がしっかりとられていれば事故は起きなかったと強く思う」と述べて陳謝しました。
委員会のあと、柏崎市消防本部の小林晴久消防長は「健康管理や安全管理などについて、改めて気を引き締め再発防止に取り組みたい」と話していました。
この事故をめぐって、警察は業務上過失致死の疑いで当時の状況などを調べています。