工場火災で6人死亡 三幸製菓 代表取締役の辞任を発表

おととし2月、新潟県村上市にある菓子メーカー「三幸製菓」の工場で6人が死亡した火災をめぐり、会社は22日、佐藤元保代表取締役が今月末で辞任すると発表しました。

おととし2月、村上市にある「三幸製菓」の荒川工場から火が出て、アルバイト従業員4人を含む6人が死亡しました。
この火災をめぐっては先月、会社の安全管理に問題があったとして、警察が「三幸製菓」の佐藤元保代表取締役ら4人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
会社は22日、再発防止策をすべての生産拠点で実施・継続できる体制の構築ができたなどとして、今月末で佐藤代表取締役が辞任すると発表しました。
後任の代表取締役には山下仁取締役が就任する予定で、来月1日に開かれる取締役会で正式に決まるということです。
佐藤元保代表取締役は「新たな体制に移行しても会社一丸となって再発防止策を徹底し、安全に対する取り組みは継続される」とコメントしています。
三幸製菓の代表取締役が辞任することについて、親族を亡くした遺族が取材に応じました。
伊藤美代子さん(68)の長男は「辞任したとしても、ほかの従業員は逃げることができたのに、なぜ母親たちが逃げ遅れてしまったのか真相がわからず、モヤモヤがずっと残っています。火災のあと会社がきちんと従業員から聞き取りをして、当時の状況が少しでもわかれば今のモヤモヤはなかったと思います」と話していました。
また、近ハチヱさん(73)の長男夫婦は「私たち遺族は初めから『責任を取る』という意味での辞任を求めてきましたが、2年もの時間がたってからの辞任では、なんとも言いがたいです。これで遺族の悲しみが終わりになるわけではなく、お母さんのことを思いながら必死に生きていくだけです」と話していました。