トキの放鳥 初めて佐渡市北部の大佐渡エリアで

野生復帰を目指す国の特別天然記念物トキについて、環境省はトキの繁殖場所が集中し繁殖しにくくなる状況を改善するため、ことし6月の放鳥は、これまで放鳥したことがない佐渡市北部の大佐渡エリアで行うと発表しました。

これは12日、環境省が発表したもので、ことし6月上旬に10羽以上のトキを佐渡市北部の大佐渡エリアで初めて放鳥するということです。
その背景にはトキの繁殖の問題があり、環境省によりますとトキの生息エリアは、これまでの放鳥場所の周辺の佐渡市中央部にある国仲エリアに集中し、生息密度が高くなっているということです。
このため、トキがほかのトキの巣を乗っ取ったり追い払ったりして、安定して繁殖できない状況になっていると見られ、生息数の減少にもつながっている可能性があるとしています。
12日、佐渡市では、ことし6月に放鳥されるトキを含む合わせて17羽の放鳥に向けた訓練が始まり、専用の施設にある訓練用の大型ケージに移されました。
環境省の篠崎さえか首席自然保護官は「トキが定着しやすい放鳥方法を実施して、トキの生息域を広げたい」と話していました。