「トキエア」札幌・丘珠線 就航 第1便 新潟空港飛び立つ

新潟空港を拠点とする新たな航空会社「トキエア」の札幌・丘珠便が31日就航し、関係者が見守るなか第1便が新潟空港を飛び立ちました。
国内で大手航空会社に属さない航空会社による定期便の就航は15年ぶりで、その経済効果に期待が高まっています。

「トキエア」は、新潟空港を拠点とする地域航空会社として4年前に設立され、国との調整などに時間を要したことから就航延期を繰り返していましたが31日就航を迎えました。
午前8時すぎ空港ロビーで記念の式典が開かれ、新潟県の花角英世知事が「これはゴールではなくスタートだ。丘珠線が安全運航、安定運航を続けた結果、利用者によろこばれ、信頼される路線に成長していってもらいたい」とあいさつしました。
続いてトキエアの長谷川政樹社長が「ようやくきょう就航の日を迎えることができた。社員一同がんばり、皆さんの支えでここまで来ることができたことに感謝したい。これから新潟の活性化に貢献していきたい」と述べました。
50代の乗客の男性は「キャンセル待ちでチケットを入手できました。仕事で新潟に住んでいますが、札幌に家があるので就航を楽しみにしていました」と話していました。
第1便には乗客乗員70人余りが搭乗し、午前9時半すぎ関係者が見守るなか丘珠空港へと飛び立っていきました。
国内で大手航空会社に属さない航空会社による定期便の就航は15年ぶりで、今後、仙台空港や新潟県の佐渡空港などにも予定通り定期便を就航させ、経営の安定につなげられるかが焦点です。
トキエアの長谷川社長は式典のあとの取材に対し、「まずは就航した丘珠路線を安定的に飛ばして、そのあとに路線拡大を進めていきたい。課題をひとつひとつ丁寧に乗り越えて発展させていきたい」と話していました。
新潟空港にあるトキエアのチェックインカウンターの前には、札幌への第1便に乗ろうと全国から集まった乗客15人ほどが列を作り搭乗手続きの開始を待っていました。
乗客の1人でトキエアに乗るのが夢だったという東京の男性は「就航延期が続くたびに心配していましたが、ようやくこの日が来たという感じです。チェックインカウンターがあったり、時刻表にトキエアの名前があったりして本当に就航するんだと思いました。ワクワクする気持ちでいっぱいです」と話していました。
また大阪から来た男性は「トキエアならではのどういうサービスがあるか楽しみにしています。佐渡に行くのに便利だと思うので、早く佐渡空港にも就航してほしい」と話していました。
新潟市出身で現在は宮城県に住んでいる男性は「地域の活性化につながるし多くの人が訪れるきっかけになるので、明るいニュースだなと思っていました。日本各地に路線を増やし多くの人に新潟を訪れてほしい。仙台空港にも就航予定なので帰省しやすくなると思う」と話していました。
新潟市中央区の男性は「きょうは天気もよく、いい景色が見られるのではないかと楽しみです。宗谷岬に行くなど北海道を満喫したいです」と話していました。
そして午前9時半すぎに第1便が出発すると、航空ファンなどが写真や動画を撮影したり拍手を送ったりして見送っていました。


31日午後1時40分ごろトキエアの丘珠空港からの折り返しの便が新潟空港に到着すると、到着出口ではゆるキャラや市町村の関係者が乗客を出迎え、記念品や観光パンフレットなどを配っていました。
新潟市出身で現在、札幌市の高校に通う男子生徒は「トキエアが就航するというニュースを4年前に聞いて、きょうまで待っていました。25歳以下の安い運賃もあるので、すごく経済的にも負担が少ないかなと思っています」と話していました。
また東京から丘珠空港経由で新潟空港に来た40代の女性は「初日にトキエアに乗りたかった。小さい飛行機ですが座席の幅もしっかりあったのできゅうくつな感じもなく乗りやすかったです。機内で配られたおまんじゅうとお茶もおいしかったです」と笑顔で話していました。
新潟を家族で観光するという60代の男性は「時間があれば佐渡にも行きたいですが、今回は新潟に泊まります。食べ物やお酒が楽しみです」と話していたほか男性の10代の娘は「低いところを飛んでいたので景色が見やすくて快適なフライトでした。新潟のご飯を食べたいです」と話していました。