県の工事入札で官製談合事件 振興局元部長に猶予付き有罪判決

県の新発田地域振興局が発注した工事の入札をめぐり、振興局の部長だった被告が建設会社に予定価格などを漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われている裁判で、新潟地方裁判所は懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

県の新発田地域振興局の農村整備部長だった鶴巻博文被告(59)は、去年6月と8月に振興局が発注した工事の入札をめぐり、建設会社「岩村組」の顧問だった本田任被告(72)に予定価格や入札に参加する会社の情報などを漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われています。
29日の判決で、新潟地方裁判所の石黒瑠璃裁判官は「慣例になっていると頼まれ、業者との関係性が壊れることを懸念し犯行に及んだが、他者に相談することは容易であり、安易に踏襲したことは非難を免れない」などと指摘しました。
そのうえで、「事実を認めて反省しているほか、新潟県職員を免職になり今後入札に関わることはない」などとして、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
この裁判では、本田被告を含む建設会社の元役員3人が公正な入札を妨害した罪に問われていて、裁判官は本田被告に懲役1年6か月、ほかの2人に懲役1年、いずれも執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。