ブラックホール「1年後も変わらない大きさで存在」 新潟大

極めて強い重力で光も吸い込む天体、ブラックホールの輪郭の撮影に世界で初めて成功したと、日本などの研究グループが発表してからことしで5年です。
グループに参加する新潟大学の研究者らが会見し、撮影から1年後もブラックホールは変わらない大きさで存在していたとして、宇宙の謎の解明に意欲を示しました。

日米欧などでつくる研究グループは2019年、地球から5500万光年離れたおとめ座の「M87」と呼ばれる銀河にあるブラックホールの撮影に成功したと発表し、世界的な注目を集めました。
この研究グループに参加する新潟大学大学院自然科学研究科の小山翔子助教らが今月16日、オンラインで会見し、撮影から1年後に同じブラックホールを観測した結果を発表しました。
ブラックホールの周囲では、ガスやちりなどが出す強い電波が赤や白のドーナツ状の輪として示されますが、その輪の直径に変化はなく、ブラックホールは変わらない大きさで存在していたということです。
さらに輪の明るい部分が移動したり色が濃くなったりしていて、ブラックホール周辺のガスなどが不規則に流れていることがうかがえるとしています。
研究は南米チリにあるアルマ望遠鏡など世界に11ある電波望遠鏡をつないで続けられていて、研究グループはことし、さらに望遠鏡を追加して解像度を高め、宇宙の謎の解明につなげたいとしています。