地震 「佐渡金銀山遺跡」被害状況 ただちに対応必要箇所なし

能登半島地震による新潟県佐渡市の「佐渡金銀山遺跡」などの被害状況が専門家会議で報告され、ただちに対応が必要な箇所は確認されなかったとしたうえで、具体的な補修について検討することを申し合わせました。

能登半島地震のあと佐渡市は世界文化遺産への登録を目指す「佐渡金銀山遺跡」の被害状況の調査を続けていましたが、15日、市内で開かれた専門家会議で結果を報告しました。
それによりますと、江戸時代の坑道を公開している「史跡佐渡金山」の駐車場で直径30センチから1メートルほどの石が3個落下したほか、佐渡奉行所跡では建物の一部で亀裂などの被害が確認されたということです。
また市の担当者は鉱山の立て坑内で作業員や鉱石を運んだ「大立竪坑捲揚機室」の天井からコンクリートが落下したことも報告されました。
会議の座長を務める東北芸術工科大学歴史遺産学科の北野博司教授によりますと、幸いただちに対応が必要な箇所は確認されなかったということで、会議では具体的な補修について検討することを申し合わせました。
北野教授は、「今回の地震による被害をきちんと記録に残し、そうした場所には今後、人を立ち入らせないなど具体的な対策を検討することができた」と話していました。