猛暑で1等米比率が低下 要因を分析する有識者の研究会が発足

この夏の記録的な猛暑でコシヒカリなどの1等米の比率が大幅に低下したことを受け、県はその要因などを詳しく分析する、気象やコメの品種開発に詳しい有識者らを交えた研究会を発足させ、30日、初会合を新潟市で開きました。

研究会ではまず、令和5年産のコメの1等米の比率が報告され、県によりますと、今月15日時点でコシヒカリが4%など、主食用のコメ全体が16%で過去最低になる見込みだということです。
また、コメが白くなるといった高温の影響を受けやすい穂が出た後のタイミングと、台風などによるフェーン現象が重なったことが報告されました。
気象の専門家は、8月の新潟市を例に挙げ、平均気温が全国最高で、降水量が全国最少だったほか、新潟県沖の海面の平均水温も高くなっていたとし、こうした状況について「来年になって解消されるとは考えづらく、当たり前になりつつあると考えられる」などと指摘していました。
一方で、新之助は1等米の比率が95%と平年並みとなっていることを受けて、委員からは「今後の新潟の高品質米を考える上で大きなヒントとなっている。新之助をいかして作期分散をはかることも必要ではないか」などといった意見が出されました。
また、「等級低下で売り上げに苦しむ生産者がいるなかで、そもそも等級が必要なのか」などといった意見も出されていました。
研究会の座長を務める新潟大学農学部の山崎将紀教授は「コシヒカリが暑さに耐えられなかったのは事実で、来年また同じような気象になることも予想されるので暑さを回避するためのいろんな方法を提案していきたい」と話していました。
県では今後、研究会の検証結果をもとに、ことし12月上旬にも来年度の対応について決定したいとしています。