新潟水俣病の裁判の原告団長の男性を主人公にした漫画を発行

新潟水俣病について広く知ってもらおうと、水俣病の被害を訴える人たちが国などに損害賠償を求めている裁判で原告団長を務める男性を主人公にした漫画が発行されました。

新潟水俣病の被害を訴える151人が水俣病に認定されていない人を救済する特別措置法で救済の対象外とされたのは不当だとして国と原因企業に損害賠償を求めている裁判は、原告のうち47人に対して来年4月に判決が言い渡されます。
この判決を前に新潟水俣病について広く知ってもらおうと、原告団長を務める皆川栄一さん(80)を主人公にした漫画を、支援者などでつくる団体などがこのほど発行し、26日記者会見が開かれました。
漫画は「皆川榮一物語70才の決意」と題され、皆川さんが幼少期から阿賀野川で捕れた魚を食べていたことにより症状が現れた経緯や、これまでの裁判の歴史、原告全員が水俣病に認定されることへの願いなどが描かれています。
作画は新発田市出身の漫画家、山好蕗子さんが担当しました。
会見に出席した皆川さんは「私が代表して漫画になっているが、思いや生活ぶりはほかの患者の多くと重なるのではないか。この漫画を通して新潟水俣病について見つめ直してもらいたい」と話していました。
漫画は新潟市北区の資料館「環境と人間のふれあい館」で配布されるほか、関係団体に問い合わせて取り寄せができるということです。