新潟県内産コシヒカリ 「3等米」の割合多く農家支援の動き

県内ではコメの主力品種、コシヒカリの収穫が多くの地域で終盤を迎えていますが、この夏の記録的な暑さの影響でこれまでのJAの各地の検査で、品質が低い「3等米」の割合が多くなっていて、農協などが農家を支援する動きが広がっています。

このうち、新潟市や燕市などを管轄する「JA新潟かがやき」の管内では28日までで、コシヒカリは、3等米が69.1%、2等米が29.4%、1等米は0.6%と1等米がほとんどなく3等米が最も多い厳しい状況となっています。
JAは、この夏の記録的な暑さで稲から穂が出て成長する7月下旬から8月にかけて高温などに見舞われた影響で、食味に影響はないものの米粒が白く濁るなどして見た目の品質が下がったとしています。
28日、阿賀野市にあるJAの倉庫にはおよそ36トンの米が次々と運び込まれ、検査を受けていました。
このうちコシヒカリでは、検査員が袋から取り出した米粒の大きさや色などを確認していましたが、白く濁った米粒が確認され、多くの袋に3等米の等級印を押していました。
一方、県が開発した暑さに強いとされる品種のブランド米「新之助」は、収穫がまだ序盤ですが、この農協の管内では今月25日までの検査で、1等米の割合が9割以上で、この日も運び込まれた多くが1等米と評価されていました。
一方、3等米が多くなると農家の収入が減り、経営に影響が出るおそれがあるとして、「JA新潟かがやき」は独自にコメを出荷する管内の農家に前金として支払う「仮渡し金」を来月から増額することを決めています。
具体的には、1等米から3等米ではJA全農新潟県本部の目安より増額し、コシヒカリの3等米では60キロあたり1万1800円とするほか、例年は仮渡し金が支払われない「規格外」の一部についても、60キロあたり1万円を支払うとしています。
「JA新潟かがやき」営農部米穀課の斎藤政幸課長は「農家の生活を守るため『仮渡し金』を増額する対応をとったが、今後は温暖化が進む中、暑さに強いコメの開発も重要になってくると思う」と話していました。
ことし収穫される県内のコメの品質をめぐっては、JA全農新潟県本部の調査で、今月20日時点で集荷したコシヒカリについては、1等米の割合が1%となっている一方、3等米は68%となっています。
こうしたなか、関係者によりますと、JA全農新潟県本部も県内のコメの出荷農家に支払うコシヒカリの3等米の「仮払い金」の目安を来月から増額することを決めています。