山奥の木の実 凶作や不作 エサ求めクマが人里に出没か

クマのエサとなる山奥の木の実の生育状況を県が調査した結果、この秋はブナが凶作となっているほかミズナラやコナラも不作で、県はエサを求めてクマが人里などに出没する可能性が高いとして、注意するよう呼びかけています。

県はクマの出没を予測するため、毎年、クマのエサとなる山奥の木の実の生育状況を調べていて、26日、調査結果を公表しました。
それによりますと、県全体でクマが好むブナの実は凶作、ミズナラとコナラは不作、クリやオニグルミは並作となっています。
このうちミズナラ、コナラ、クリは、調査が始まった平成23年以降、豊凶指数が最も低く、ことしの記録的な暑さの影響もあると見られています。
今回の調査結果から県は、この秋は県全体で冬眠前のクマがエサを求めて人里に出没する可能性が高く、クリ以外が凶作か不作の上越では特に注意が必要だとしています。
クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫教授は、クリやクルミがある場所にクマが出没する可能性があり、クマの活動が活発になる早朝や夕方にこうした場所に近づく場合は、細心の注意が必要だと指摘しています。
箕口教授は「ことしのクマのエサの条件は非常に劣悪で、出没が多かった令和元年やその翌年と同じような状況だ。これまでにクマの目撃情報がないような人里や市街地でも、十分注意する必要がある」と話していました。
県は今月1日から「クマ出没警戒警報」を出し、山に入る際は複数人で行動するとともに、鈴やラジオなどを携帯するほか、クマを寄せつけないように農作物や生ゴミは、屋外に放置しないよう呼びかけています。