映画「福田村事件」の上映 新潟市で始まる 森監督があいさつ

映画「福田村事件」の上映 新潟市で始まる 森監督があいさつ

100年前の関東大震災直後の千葉県で、行商に訪れていた一行が地元の自警団に襲われ9人が殺害された事件を題材にした映画、「福田村事件」の上映が先週9日から新潟市の映画館でも始まり、監督らによる舞台あいさつが行われました。

関東大震災の直後の1923年9月、現在の千葉県野田市、当時の福田村で香川県から訪れていた薬の行商の一行が、当時、迫害を受けていた朝鮮人と疑われたことなどをきっかけに地元の自警団から暴行を受け、9人が殺害されました。
この事件を題材にした映画「福田村事件」の上映が、先週9日から新潟市の映画館で始まり、初回の公開は、ふだんよりも席数を増やし、80人が映画を鑑賞しました。
映画を見た男性は「善良な人たちが情報に左右される姿に驚きました。現代は簡単に情報が入るので、真実をよく吟味しないといけないと思いました」と話していました。
このあと舞台あいさつが行われ、中学・高校時代を新潟県内で過ごした森達也監督と、新発田市出身の俳優、木竜麻生さんが登壇しました。
この中で森監督は、今月映画が公開されてから予想以上に反響があるとして、「負の歴史から目をそらす傾向が強くなっているが、それに対して何か違うぞと思っている人は、自分が思っていたよりたくさんいたんだと思います」と話していました。
そのうえで報道陣の取材に対し、新潟県内で映画の公開が始まったことについては、「新潟は自分が青春時代を過ごした場所で、自分の映画体験の原点もここにあるので、やっと見てもらったという感じがあります。100年前の事件ですが、絶対にいまにつながっていて、おそらく見てもらえれば納得してもらえると思います。現代劇を見るつもりで見てもらえればよいです」と話していました。