野生復帰目指しトキの放鳥訓練始まる 佐渡

野生復帰を目指す国の特別天然記念物トキの放鳥に向けた訓練が29日から佐渡市で始まりました。

訓練を始めたのは1歳から6歳までのオスとメス合わせて15羽で、佐渡市のほか長岡市や島根県出雲市など全国4か所の分散飼育地で、飼育されたトキや野外で保護された個体も含まれています。
29日はトキ保護センター野生復帰ステーションの飼育ケージから管理棟にトキが運び込まれ、職員が個体を識別するための特殊な塗料を羽に着色したあと訓練用の大型ケージに移しました。
前回の訓練開始時にはうまく飛ぶことのできないトキ数羽がけがをしたことから、今回はいったん小さな部屋に放しトキがみずから大型ケージに移動するのを待つ新たな方法に変更されました。
トキはケージの中で飛ぶ力をつけたり餌を取ったりする訓練を続け、ことし9月下旬には佐渡の自然に放されます。
環境省の篠崎さえか首席自然保護官は「秋に行われる29回目の放鳥は初めてのトキ放鳥から15年、そして日本のトキが絶滅して20年にあたります。皆さんにトキの野生復帰についてもう一度考えてもらるよう、佐渡の人たちの思い入れのある場所で放鳥を行いたい」と話していました。
環境省はトキの放鳥を15年前から続けていて、これまでに462羽が自然に放され、国内の自然界で生存しているトキは去年12月の時点で545羽と推定されています。