柏崎刈羽原発 規制委員長「春ごろ処分解除するかどうか判断」

テロ対策上の問題が相次いで見つかり、事実上運転を禁止する行政処分を受けた柏崎刈羽原子力発電所について、原子力規制委員会の山中委員長は東京電力の再発防止策などを見極めたうえでことし春ごろに処分を解除するかどうか判断するという見通しを改めて示しました。

柏崎刈羽原発ではおととし、中央制御室への社員による不正入室やテロリストなど外部からの侵入を検知する設備の不備といったテロ対策上の問題が相次いで見つかり、原子力規制委員会は東京電力に対し、事実上運転を禁止する行政処分を出しました。
こうしたなか、原子力規制委員会の山中伸介委員長が28日現地を訪れ、テロリストなどの侵入を検知するセンサーが冬の荒天時にも正常に作動するかなど改善に向けた取り組みの状況を確認しました。
視察のあと山中委員長は「1年前に比べて入域管理の状況は非常によくなっている。一方でまだ課題があることも東京電力に伝えた」と述べました。
そのうえで「具体的には言えないが課題があるのは事実だ。今後の検査の内容にもよるが判断を下す時期が春ごろという見通しに変化は無い」と述べ、東京電力の再発防止策などを見極めたうえでことし春ごろに処分を解除するかどうか判断するという見通しを改めて示しました。
一方、東京電力が柏崎刈羽原発3号機の審査のため原子力規制委員会に提出した書類に150か所の誤りがあったことについて、山中委員長は「発電所の所長から説明を受けたが納得できないものだった」と述べ、原因究明と再発防止を求めました。