原発事故避難生活検証を知事報告

東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難生活の実態を検証してきた県の委員会の報告書が12日、花角知事に提出されました。
震災前の生活や人間関係を取り戻すことは簡単ではなく、避難者の置かれた現状が見えにくくなっている実態を指摘しています。

報告書をまとめたのは、県の原発事故に関する3つの検証委員会のうち、事故による避難生活の実態を検証してきた分科会で座長を務めた新潟大学の松井克浩教授が花角知事に提出しました。
検証は4年前から、避難者への聞き取りなどをもとに行われ、主に7点の結論がまとめられています。
このうち、避難者の置かれた現状について生活を再建した人もいる一方で、家族や知人と離れて暮らす中、震災前の生活や人間関係を取り戻せず、孤立を深める人も少なくないことが報告されています。
また、時間の経過とともに避難者に対する理解が薄れ、周囲からの誤解や偏見があること、1人1人の置かれた現状が複雑になって見えにくくなり、長期的なきめこまやかな支援や調査が必要だといった課題も指摘しています。
説明を受けた花角知事は「検証内容は検証総括委員会でとりまとめ、県民に情報共有し理解をいただく機会を作りたい」と話していました。
また、新潟大学の松井克浩教授は「事故から10年がたっても元の生活が取り戻せない人がいる。再稼働の議論にあたっては事故が起きれば極めて深刻な被害も生じるということもよく踏まえて考えていただきたい」と話していました。