古代の貯蔵庫「氷室」から氷を運び出す催し 天理

古代の氷の貯蔵庫を復元した「氷室」から5か月余り保存していた氷を運び出す「氷まつり」が奈良県天理市で開かれています。

「氷室」は、地面に掘った穴などに冬場に氷を入れて保存しておく貯蔵庫で、天理市の山間部にある福住地区では、古代の氷室の跡が多く見つかっています。
この地区では、毎年この時期に復元した氷室から氷を運びだす「氷まつり」を行っていて、15日は、地元の小学生などおよそ100人が参加しました。
神事が行われたあと氷室の扉が開かれ、子どもたちは、地区の人などに手伝ってもらいながら氷を外に運び出し、大八車に乗せて1キロほど離れた地区のイベント会場まで運びました。
氷の重さは当初、およそ3トンありましたが、5か月余りたって10分の1以下の240キロほどになっていました。
参加した小学2年生の男の子は「氷を運ぶのは重たかった。昔の人たちは大変だったと思います」と話していました。
福住氷まつり実行委員会の辻沢正博委員長は「氷は去年より40キロほど多かったですが、残る量が少ないと感じます。近年の暑さなどが影響しているのではないでしょうか。復元という形にはなりますが、氷を運ぶという昔の行いをこれからも伝えていきたい」と話していました。