聖武天皇の大嘗祭の荷札木簡 新たな品物判明 奈良

奈良市で見つかった奈良時代の聖武天皇の即位に伴う儀式、「大嘗祭」に関する木簡について、新たに「イカ」や「カツオ」といったさまざまな品物が記された木簡が確認されました。
こうした品物は文献から平安時代の「大嘗祭」に使われていたことがわかっていましたが、今回の発見で奈良時代までさかのぼって使われていた可能性を示していて、奈良文化財研究所は「奈良時代の大嘗祭を考える上で貴重な発見だ」としています。

昨年度、奈良文化財研究所は平城宮跡の朱雀門の南側を発掘調査したところ、2600点以上の木簡がまとまって見つかりました。
これらの木簡は奈良時代の聖武天皇が即位した際の儀式、「大嘗祭」のために全国から都に届けられた品物の荷札とみられていて、研究所では泥などを落として文字を読み解く作業を続けていました。
その結果、「イカ」や「カツオ」、「栗」などの20種類近い品物が木簡に記されていたということです。
研究所によりますとこれらの品物の多くは、平安時代の大嘗祭で神への供え物として使われていたことが文献からわかっていて、今回の発見でおよそ200年前の奈良時代にも同じ品物が使われていた可能性を示しているということです。
また、木簡の多くに備中国、いまの岡山県西部の地名が確認され、備中国から集中的に品物が送られていることもわかったということです。
奈良文化財研究所歴史史料研究室の山本崇室長は、「奈良時代の大嘗祭にどのような品物が使われ調達していたのかを明らかにすることができる大変貴重な資料だ」と話しています。