奈良 薬師寺 新たな写経納める納経式

奈良市の世界遺産、薬師寺で、この1年間に参拝者などが行った写経を寺の建物に納める「納経式」が行われました。

薬師寺では、戦国時代の戦いなどで失われた建物を本来の姿に戻すため、昭和43年から当時の高田好胤 管主が写経による寄付・勧進を始め、金堂や西塔などを再建して「白鳳伽藍(はくほうがらん)」を復興しました。
勧進は今も続けられていて、27日は、初めて写経が納められた6月27日に合わせて、新たな写経を寺の建物に納める「納経式」が行われました。
式では、仏像の前にこの1年間に書かれたおよそ2万巻の写経と高田元管主の遺影が並べられ、寺の僧侶が写経に込められた願いがかなうよう法要を営みました。
そして木製の箱に移された写経は、高さおよそ15メートルの天井裏に引き上げられ、僧侶の読経が響く中、厳かに納経されました。
薬師寺の加藤朝胤 管主は、「写経した人たちの思いを何千年も伝えられるよう祈りをささげました。寺の僧侶が一丸となってこれからも勧進を進めていきたい」と話していました。