興福寺 国宝「弥勒如来坐像」 約40年ぶりの修理で搬出

奈良市の興福寺に安置されている国宝の「弥勒如来坐像(みろくにょらいざぞう)」を修理するため、19日に仏像を運び出す作業が行われました。

奈良市の興福寺の北円堂の本尊で国宝の「弥勒如来坐像」は、鎌倉時代につくられた高さ1メートル40センチ余りの木像で、本体の修理は昭和58年以来およそ40年ぶりとなります。
19日は、まず、文化財修理の技術者らが仏像を直射日光や外気から守るためサラシなどで丁寧に包んで保護していきました。
そして担架で慎重に外に運び出し、トラックに載せて修理を行う奈良国立博物館に向かいました。
今回の修理では、仏像の背後の装飾の光背や台座についても90年ぶりに行われ、特に傷みが進んでいる仏像の背中の部分の「剥落止め」という作業などを来年の3月まで行う予定です。
興福寺の境内管理室 多川文彦 次長は、「ご本尊の背中の部分がかなり傷んでいたので寺としては早く修理がしたかった。今回の修理で50年、100年先まで受け継がれる状態になって無事戻ってきてほしい」と話していました。