奈良市議会議員 がんの治療から復帰の市長に辞職促す発言

奈良市議会で、自民党の議員が、今月、がんの治療から公務に復帰した市長に「病気療養にシフトすべきだ」などと辞職を促す発言をしました。
議員は「闘病しながら働いている人に対して何かを思っていたわけではなく、ただ療養して完全治癒してほしい一心だった」と話しています。

自民党の森田一成 奈良市議会議員は、10日の市議会の代表質問で、今月、舌がんの治療から公務に復帰した仲川市長に、自身の妻ががんで闘病生活を送ったことに触れたうえで「公務優先から病気療養にシフトし、しっかりと徹底的に病を治すことにかじを切るべきだ」などと述べ辞職を促す発言をしました。
これに対し、仲川市長は「仕事をしながらがんと向き合っている人がたくさんいる中で残念な指摘だ」と述べました。
また、自民党の県議会議員の1人は、11日、記者会見し、「闘病しながら生活のために働いている人がいる中で、病気を理由に辞職を求めるのは問題発言だ」と述べました。
森田議員は11日、NHKの取材に対し「闘病しながら働いている人に対して何かを思っていたわけではなく、市長にただ療養して完全治癒してほしい一心だった。真意が伝わらなかったのが残念だ」と話しています。