在原業平をしのぶ法要「業平忌」 奈良 不退寺

平安時代を代表する歌人、在原業平の命日の28日、業平ゆかりの奈良市の不退寺で、業平をしのぶ法要が営まれました。

奈良市の不退寺は古今和歌集で知られる平安時代の歌人、在原業平が建立したと伝えられ、毎年、命日に業平をしのぶ法要「業平忌」が行われています。
28日は、本堂に業平の姿を描いた掛け軸がかけられ、業平が作ったとされる本尊の「聖観音菩薩立像(しょうかんのんぼさつりゅうぞう)」の前には、業平が歌で詠んだしょうぶの花などが供えられました。
参列した人たちは僧りょがお経を唱えるなか、焼香して静かに業平をしのんでいました。
また、28日は、国の重要文化財に指定されている鎌倉時代の多宝塔も特別に公開され、訪れた人たちは鮮やかな色彩で描かれた高僧などの絵に見入っていました。
鳥取県から訪れた70代の男性は「初めて来たが深くは知らなかった業平の功績を学ぶ機会にもなってよかった」と話していました。