県立医科大学とベンチャー企業 ALSの新薬開発へ

全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病で、根本的な治療法がないとされるALS=筋萎縮性側索硬化症などの新薬を開発しようと、橿原市の奈良県立医科大学とベンチャー企業が共同研究を進めることになりました。

共同研究を進めるのは、橿原市の奈良県立医科大学と医療ベンチャー企業の「モルミル」で、24日に記者会見を開いて研究の内容などについて説明しました。
それによりますと、▽全身の筋肉が徐々に動かなくなるALS=筋萎縮性側索硬化症や▽認知症をひきおこすアルツハイマー病といった神経や筋肉の難病を治療する新薬の開発研究などを進めるということです。
なかでも、異常なたんぱく質がつくられ筋肉を動かす運動神経を破壊するとされるALSについては、患者のたんぱく質に似せたものを人工的に作り、分子レベルで調べて異常になったときのデータを分析するとしています。
こうしたデータなどを製薬メーカーに提供し、新薬の開発を目指すということです。
ALSは、国内におよそ1万人の患者がいるとされていますが、根本的な治療法が確立されていません。
モルミルの森英一朗 社長は、「ALSなど難病の治療薬ができる時期について明確に答えることはできないが、新薬の開発を進めることが患者や家族にとっての希望でありたい」と話していました。