大阪・関西万博 パソナパビリオンに軟骨伝導イヤホン導入へ

奈良県立医科大学で発見された耳の軟骨を通じて音を聞く「軟骨伝導」の仕組みを使ったイヤホンが、来年(令和7年)開幕する大阪・関西万博のパビリオンに導入されることになりました。

「軟骨伝導」は、奈良県立医科大学の細井裕司 学長が発見した耳の入り口付近の軟骨を振動させることで音を伝える仕組みで、耳の穴を完全にふさがないため、周囲の音も聞こえるメリットがあります。
こうした中、人材サービス大手の「パソナグループ」は、14日、大阪市内で記者会見を開き、来年4月に開幕する大阪・関西万博でグループが設けるパビリオンに、この技術を用いたイヤホンを導入することを明らかにしました。
導入するのは、▼来館者用と▼スタッフ用の2種類で、このうち来館者用のものは、展示物の音声ガイドを聞いてもらうために使われるということです。
パソナグループの伊藤真人 常務執行役員は、「周囲の音や声も聞こえることによる安全性や安心感を実感してもらうとともに、人に優しい聴覚技術を世界中からの来場者に発信したい」と述べました。
また、この仕組みを発見した細井学長は、「導入が決まって非常にうれしい。万博をきっかけに関西で生まれた軟骨伝導を世界の人々に知ってもらい、知名度を上げていきたい」と話していました。