室生寺がクラウドファンディング 整備費用など支援呼びかけ

「女人高野」として知られる宇陀市にある室生寺が、境内の施設整備や仏像などの修理費用を工面するため、クラウドファンディングで支援を呼びかけています。

室生寺は1200年以上前に創建されたとされ、豊かな自然に囲まれた境内には、平安時代初期に建てられた金堂や五重塔など、国宝や重要文化財に指定された貴重な文化財が数多くあります。
しかし、新型コロナウイルスなどの影響で参拝する人が減ったうえ、檀家を持たないことから、文化財の修理や境内の整備費用をまかなうのが困難になっています。
このため寺では、先月(4月)1日から、寺で初めてとなるクラウドファンディングを始めました。
目標額は当初、1000万円でしたが、12日で達成したため、寺では目標額を500万円引き上げ、今月(5月)30日まで専用のサイトで追加で支援を受け付けることにしています。
寺によりますと、集まった支援金は石段の補修や雨水の排水工事など境内の施設整備に加え、仏像の修復に活用するということです。
寺では支援をしてくれた人に対して、金額によって▼案内付きの特別拝観や▼御朱印、お守り、それにTシャツなどの返礼をすることにしています。
室生寺の山岡淳雄 執事は「目標額は達成したが、それですべての維持管理ができるわけではない。これからも皆さんの支援が必要なので、引き続き協力をお願いしたい」と話しています。