奈良県立医大で発見の「軟骨伝導」 音楽関係者が選ぶ賞を受賞

奈良県立医科大学が取り組んでいる耳の軟骨を通じて音を聞く「軟骨伝導」の研究成果が、音楽の評論家や作曲家などが選ぶ音楽賞の著作出版物賞を受賞しました。

「軟骨伝導」は、奈良県立医科大学の細井裕司 学長が発見した、耳の入り口付近の軟骨を振動させることで音を伝える新しい音の聞こえ方の仕組みで、一連の研究成果が、このほど音楽の評論家や作曲家などが選ぶ「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」の著作出版物賞に選ばれました。
受賞理由について、賞を主催するミュージック・ペンクラブ・ジャパンは、「『軟骨伝導』を用いれば、加齢による難聴だけでなく若年性難聴にも光が当たる。いまなお熱心な研究が行われていることに対しても高く評価すべきものがある」としています。
「軟骨伝導」をめぐっては、おととし(令和4年)仕組みを利用したイヤホンが製品化され、耳の穴をふさがなくても音漏れが少ないといったメリットがあることから、自治体や金融機関の窓口などで普及が進んでいます。
受賞について細井学長は、「まだ一般に知られていないが、賞をきっかけに関西発の新技術として多くの人に知ってもらい、活用が進んでいくことを願っている」と話しています。