県防災拠点検討部会 専門家“市町村などと連携し拠点整備を”

県が見直しを進めている広域防災拠点の整備など県全体の防災体制について、専門家から意見を聞く検討部会の初めての会合が、県庁で開かれました。

県庁で開かれた初会合には、防災の専門家など6人の委員が出席し、はじめに山下知事が「委員の専門知識を借りながら奈良県の防災体制を万全なものにしていきたい」とあいさつしました。
県の防災拠点をめぐっては、五條市に滑走路を備えた大規模広域防災拠点を整備する計画でしたが、山下知事が計画を見直してヘリポートや備蓄倉庫に加えて非常用電源を確保するために太陽光発電設備を整備する方針や、県立橿原公苑にアリーナを新設し中核的広域防災拠点として活用する方針などを示しています。
しかし、県議会から有識者の意見を聞き、県全体の防災体制を総合的に検討すべきだという指摘を受け、今回の部会の開催となりました。
24日の会議では委員から、▼防災拠点は多くの車両が集結するためアクセス性を考えて道路とセットで整備する必要があるとか、▼県内や近隣の自治体などに、どのような防災機能があるか把握したうえで、連携しながら拠点整備を進めるべきだといった意見が上がっていました。

【“奈良盆地東縁断層帯も考慮を”】
検討部会の部会長を務める関西大学 社会安全学部の河田惠昭 特別任命教授は中核的広域防災拠点の場所について、「これまでは南海トラフ地震の発生を前提として考えてきたが、奈良盆地東縁断層帯の地震も考慮しながら考えるべきで、奈良市と40キロ離れた五條市よりもその中間点の橿原市が現実的ではないか」と話していました。
また、五條市に太陽光発電施設を整備する計画については、「現在想定しているメガソーラーの面積はとても広いのでそこまでの量が本当に必要なのかなど、委員の皆さんの意見を聞きながら判断したい」と述べました。

山下知事は定例記者会見で「ゼロベースで議論してもらうので、現時点で県としていつごろまでに基本構想をまとめるという期限を決めることはできない。議会で何度も議論がなされたテーマなので、専門的な見地から検証してもらいたい」と述べました。