海水供え海の安全祈る 奈良 海龍王寺

遣唐使にゆかりのある奈良市の海龍王寺で、海水を供えて海の安全などを祈る法要が営まれました。

この法要は、奈良時代に遣唐使とともに学問僧として海を渡った海龍王寺の初代住職、玄※ボウが、海上で嵐に見舞われながらもお経を唱えて日本に帰り着いたことにちなんで、毎年、営まれています。
本尊の前には、青いガラスの器に入った東日本大震災の被災地の宮城県や岩手県など、全国の9か所の海水が供えられました。
そして、僧侶がお経を唱える中、参列者が海の安全や、東日本大震災とことし元日に発生した能登半島地震の被災地の復興などを願って、静かに手を合わせていました。
毎年、法要に参列している兵庫県の50代の女性は「戦争や災害の被災地に寄り添いながら今後も祈りを続けていきたい」と話していました。
また、海龍王寺の石川重元 住職は「災害は無くならないが、ささいなことでもみんなで力を合わせて祈ることの大切さを伝えていきたい」と話していました。

※「ボウ」は、へんが「日」、つくりが「方」