高松塚古墳壁画保管新施設 文化庁の検討会で計画まとまる

明日香村の高松塚古墳で見つかった国宝の壁画を保存・管理する新しい施設について、有識者らで作る文化庁の検討会は、古墳近くにある歴史公園のガイダンス施設と一体的に整備していく計画をまとめました。

「飛鳥美人」などで知られる高松塚古墳の壁画は、カビなどの影響で劣化が進んだため、石室から取り出して修復を行った後、現在、近くにある仮設の修理施設で保存・管理されています。
文化庁は修復を終えた壁画について、古墳に戻さず新しい施設を整備して保管することにしています。
これについて、21日、京都市で有識者らで作る文化庁の検討会が開かれ、新しい施設は明日香村の国営飛鳥歴史公園のガイダンス施設と一体的に整備・活用していくという基本計画をまとめました。
計画案では、施設内に壁画を公開・展示するための区画に加え、保存の歴史を紹介するコーナーを新たに設けるなどとしていて、出席した委員からは、壁画の調査研究の拠点としても位置づけてほしいなどという意見が出されましたが、計画の方向性自体に異論はなく、了承されました。
検討会の和田晴吾 座長は「地元が熱望する世界遺産に登録された後でも新しい施設は重要な拠点になるはずで、ふさわしいものにしていきたい」と話しています。
新しい施設は、令和11年度までのオープンを目指しています。