橿原 藤原京の本薬師寺跡発掘 礎石などから南門は立派な構造

橿原市にあった飛鳥時代の都 藤原京の本薬師寺(もとやくしじ)の跡で、寺の正門にあたる南門の隅の部分が見つかりました。
南門は礎石の大きさなどから立派な構造だったと考えられ、調査担当者は「国家主導で造られた寺院にふさわしい門が存在していたことがはっきりした」としています。

本薬師寺は、飛鳥時代の天武天皇が皇后の病気が治ることを祈願して創建を始めたといわれる寺で、橿原市にあった飛鳥時代の都 藤原京の中に建立され、奈良市にある薬師寺の前身といわれています。
橿原市が今月(2月)、寺の中心部の南側を発掘したところ、建物の基礎の盛り土の跡のほか、周囲に石を敷き詰めた跡や、屋根の雨水を流す溝の跡などが見つかりました。
盛り土の部分からは、直径2メートル近くの礎石を抜きとった跡も見つかり、今回、発見されたのは寺の正門にあたる南門の隅の部分とみられています。
本薬師寺の南門は、当時の寺院の南門の中で最大だったことが過去の調査からわかっていて、今回見つかった礎石の大きさや周囲の石敷きから、立派な構造だったと考えられるということです。
発掘にあたった橿原市の石坂泰士 係長は「本薬師寺は国家主導で造られた寺院で、それにふさわしい門が存在していたことがこれではっきりした」と話しています。
今回の調査成果について、来月(3月)2日には現地で見学会が開かれます。