文化財の防災 その意義とは

火災や地震などで文化財が失われることは非常に残念なことです。
しかし、“貴重なものだから守る”ということだけが文化財防災の意義ではないと担当者は話しています。

奈良市にある文化財防災センターの小谷竜介文化財防災統括リーダーです。
国や地元自治体などと連携して、被災した文化財の保護や修復などにあたっています。
小谷さんは、宮城県の文化財保護課の職員だった平成23年に、東日本大震災に遭い被災した文化財の保護にあたった経験から文化財防災の道に進みました。
小谷さんが印象に残っているのが、東日本大震災発生の翌年、宮城県東松島市で、市の無形民俗文化財に指定されている伝統の獅子舞が復活し、披露された時のことでした。
地元の人たちが久しぶりに顔を合わせる様子に地域のきずなとなる文化財の力を感じたといいます。
ことしは、能登半島地震が起き、文化財防災センターも文化庁とともに被害の調査にあたっています。
それだけに訓練などをきっかけに地域の文化財について考えてみてほしいと言います。