平城宮跡 朱雀門南側で約50個の柱の穴 6棟の小型建物跡か

奈良時代の都の中心だった奈良市の平城宮跡のすぐそばでおよそ50個の柱の穴が見つかりました。
柱の並びから、6棟の小型の建物の跡とみられ、専門家は「役人を養成する機関の一部の可能性があり、貴重な成果だ」と話しています。

奈良文化財研究所は去年10月から平城宮跡の朱雀門の南側、およそ1100平方メートルで発掘調査を進めていたところ、直径20センチほどと推定される奈良時代の柱の穴が47個見つかりました。
柱の並びなどから、小型の建物が6棟あったと推測され、いずれの建物も東西におよそ3メートル、南北に7メートルほどの大きさとみられるということです。
今回の発掘調査の場所の近くでは、役人を養成する「大学寮」の可能性が指摘されている建物の跡が見つかっていて、今回の柱の穴も「大学寮」のすぐそばにあるということです。
平城宮跡に詳しい奈良大学の渡辺晃宏 教授は「立地や規模、さらにこれまでの調査成果などから考えると、今回見つかった穴は大学寮で倉庫などとして使われた建物の跡の可能性がある。平城京の構造を知るうえで重要な成果だ」と話しています。