當麻寺の「練供養」 新たに国の重要無形民俗文化財に指定へ

葛城市の當麻寺に伝わるぼさつにふんした人たちが境内を練り歩く伝統行事「練供養」が、新たに国の重要無形民俗文化財に指定されることになりました。

葛城市の當麻寺の「練供養」は、寺の本尊になっている、国宝のまんだらを一晩で織り上げたとされる「中将姫」の伝説を再現した平安時代から続く伝統行事です。
毎年、4月に生きたまま仏になったという中将姫の化身の仏像を迎えようと、仮面をかぶってぼさつにふんした人たちが、寺の境内に設けられた長さ100メートルほどの橋の上を練り歩く様子が見どころになっています。
国の文化審議会は、19日、當麻寺の練供養について、▼橋をゆっくりと練り歩く所作に大きな特徴が見られることや、▼地域に伝わる伝説と結びついて行事が発展してきたことが重要だとして、国の重要無形民俗文化財に新たに指定するよう文部科学大臣に答申しました。
県内の重要無形民俗文化財はこれで8件目になります。
當麻寺の葛本雅崇住職は、「1000年以上の歴史を持つ『練供養』が認められてうれしい。保護してきた地域の皆さんとともに、次の世代につなげていく新たなスタートにしたい」と話しています。