奈良教育大付属小学校で不適切な授業 未履修の授業は補てん

奈良教育大学と付属小学校は8つの教科と1つの学校での活動で国の学習指導要領に沿った授業が行われず、不適切な方法で授業が進められていたと発表しました。
不適切な授業は長年、行われていた可能性があり、学校は児童と卒業生に対して未履修の授業を補てんするとしています。

奈良教育大学は、付属小学校で国の学習指導要領に沿った授業が行われていない可能性があるという連絡を県教育委員会から受け、去年6月から調査を行っていました。
教員に聞き取りなどを行ったところ、昨年度から今年度にかけて国語や外国語など8つの教科と1つの学校での活動で不適切な授業の進め方をしていたということです。
具体的には、▼国語では3年生より上の学年で毛筆を使った書写が全く行われていなかったほか、▼5年生と6年生の体育では不安や悩みについて対処する方法を学ぶ授業で指導不足があったなどとしています。
また、図画工作では教科書が全く使われず、教員が独自に作成したプリントで授業を行っているケースもあり、大学は学校教育法に違反しているとしています。
大学は、教員が学習指導要領に沿わないことを認識していたと見ていてこうした不適切な授業は長年、続いていた可能性があるということです。
学校は、平日の授業を増やすなどして未履修の内容を補てんするとしているほか、現在の6年生についてはことし8月の夏休みに授業を行い来年度中までにすべての内容を履修させるということです。
また、卒業生には小学校内に専用の受け付け窓口を設置して補習や相談などに応じるほか、意向に沿いながら、対面やオンラインなどで補習を実施するとしています。
奈良教育大学の宮下俊也学長は「児童や保護者、国民からの信頼を裏切り、深くおわびする。大学として全力をあげて信頼回復に努めたい」と話しています。