富雄丸山古墳で木製のひつぎの発掘調査 本格的に始まる

東アジアで最も長いとされる鉄の剣などが見つかった奈良市の富雄丸山古墳で、木製のひつぎの中身を調べる発掘調査が22日から本格的に始まりました。

4世紀後半に造られたとされる奈良市の富雄丸山古墳では、昨年度(令和4年度)行われた発掘調査で、▼「蛇行剣(だこうけん)」と呼ばれる波打ったような形をした東アジアで最も長いとされる鉄製の剣や、▼盾の形をした国内最大級の鏡などが見つかりました。
剣や鏡のそばからは、長さおよそ5メートル、幅およそ60センチの1本の木をくりぬいて作られたひつぎが見つかっていましたが、昨年度の調査では中身を調べずそのまま埋め戻されたため、22日から本格的な発掘調査が始まりました。
ひつぎは、地面から80センチほどの深さに分厚い粘土に覆われた状態で埋まっていて、作業員たちは、はけなどを使ってひつぎの表面の土を丁寧に落としたり、周辺の土を少しずつ削ったりしながら調査を進めていました。
調査を行っている奈良市埋蔵文化財調査センターによりますと、来月(1月)ごろにはひつぎの中身の発掘に取りかかれる見込みだということです。
センターの鐘方正樹所長は、「今回の調査で鏡や剣がなぜここに埋められていたのかがわかってくると思うので、期待してもらいたい」と話していました。
調査は来年(令和6年)の春ごろまで続けられる予定です。