「奈良一刀彫」の工房で来年のえと「辰」の置物づくり

新年を前に奈良の伝統工芸「奈良一刀彫」の工房では、来年のえと、「辰(たつ)」の置物づくりが行われています。

「奈良一刀彫」は、平安時代、春日大社の祭りで使われた木彫りの人形を起源に始まったとされる伝統工芸で、表面を粗く削ることで木の質感を残すとともに、美しい彩色が施されているのが特徴です。
新年を前に奈良市の工房では、来年のえと、「辰」の置物づくりが行われていて、職人は、のみなどでくすのきを「辰」の形に彫り上げると最後に赤や緑の顔料で色を付けて仕上げていました。
この工房では、3種類の大きさや親子のセットなどさまざまな「辰」の置物を作っていて、これまでに完成したものを含めてことし中におよそ1000体を作り上げるということです。
一刀彫作家の大林杜秀さんは、「辰の勢いを一刀彫りの大きい面取りで表現しました。正月に飾っていただいていい一年にしてほしい」と話していました。