「蛇行剣」が見つかった富雄丸山古墳 ひつぎの発掘調査始まる

東アジアで最も長いとされる、鉄の剣などが見つかった奈良市の富雄丸山古墳で、木製のひつぎの中身を調べる発掘調査が4日から始まりました。

4世紀後半に造られたとされる奈良市の富雄丸山古墳では1年前、「蛇行剣」と呼ばれる波打ったような形をした東アジアで最も長いとされる鉄製の剣や、盾の形をした国内最大級の鏡などが見つかりました。
剣や鏡は、木製のひつぎのそばから出土していますが、1年前は調査が行われずそのまま埋め戻されています。
4日から、ひつぎの発掘調査が始まり、現場では作業員が道具や調査の拠点となるテントなどを運び込んで準備を進めていました。
ひつぎが埋まっているのは、古墳の斜面から突き出た「造り出し」と呼ばれる場所で、雨や風などから古墳を守る「覆い屋」と呼ばれる屋根に覆われています。
今月下旬からひつぎの本格的な発掘が始まる予定で、今回の調査で剣や鏡が埋められた背景などが、解明されるのではないかと期待されています。
奈良市埋蔵文化財調査センターの鐘方正樹 所長は「前例のない巨大な剣や鏡がどういう背景で作られ、ここに埋められたのかを解明するうえで、ひつぎの調査は大きな鍵になる」と話していました。
調査は来年(令和6年)の春ごろまで続けられる予定です。