奈良時代の高僧 行基の功績をしのぶ催し

東大寺の大仏の造立に力を尽くした奈良時代の高僧、行基の功績をしのぶ催しが奈良市で開かれました。

行基は飛鳥時代から奈良時代にかけて活躍した僧侶で、東大寺の大仏を造立するための寄付を呼びかけたほか、関西各地に道路や橋を造るなど多くの土木工事を行ったことで知られています。
催しは地元の住民などで作る実行委員会が行基の功績を知ってもらおうと毎年この時期に開いていて、会場となった奈良市の春日大社の境内には市内の寺に伝わる行基の像が安置され、訪れた人が手を合わせていました。
会場では行基の功績を振り返る紙芝居が上演されたほか、仏像を造る際にも使われる鋳造の技術を体験する教室が開かれ、参加した人たちは自分の名前などが刻まれた型に流し込まれた金属が冷えるのを待って慎重に取り出していました。
奈良市の60代の女性は、「行基は多くの人を集めてインフラ整備をしたすごい人だと思いました。感謝を伝えたいです」と話していました。
実行委員会の尾田栄章会長は、「日本の国づくりの基礎になるインフラ整備や治水に取り組んだ人で学ぶべきことも多いので広く知ってもらいたいです」と話していました。