キトラ古墳探し当て 壁画発見のきっかけに 上田俊和さん死去

いまから40年前、明日香村のキトラ古墳で、極彩色の壁画が見つかるきっかけをつくった地元の歴史研究グループのメンバーの、上田俊和さんが8日、亡くなりました。
83歳でした。

上田さんは、明日香村の歴史研究グループ「飛鳥古京顕彰会」のメンバーで、昭和47年に行われた高松塚古墳の発掘調査に参加して極彩色の壁画の発見に立ち会いました。
その後、高松塚古墳と同じような特徴を持つ古墳がないかと村内を調べてキトラ古墳を探し当て、これがきっかけとなって、いまから40年前の11月7日にファイバースコープによる古墳の石室内部の調査が行われ、高松塚古墳と同じ大陸風の極彩色の壁画が発見されました。
家族によりますと、上田さんは10年ほど前から体調を崩し、誤えん性肺炎のため8日朝に亡くなったということです。
キトラ古墳の壁画の発見に立ち会った考古学者の猪熊兼勝さんは「キトラ古墳の壁画が見つかったのは、上田さんの業績です。壁画発見40年の節目に亡くなるとは言葉もありません」と話しています。
上田さんの通夜は9日、告別式は10日、いずれも橿原市で行われるということです。