特殊詐欺防止 南都銀行が高齢者のATM利用 一部制限開始

相次ぐ特殊詐欺の被害を防ごうと、奈良市に本店がある南都銀行は、一定の条件に当てはまる65歳以上の高齢者を対象にATMの利用を一部制限する取り組みを5日から始めました。

奈良県警察本部によりますと、ことしに入ってから7月末までの県内の特殊詐欺の認知件数は139件で、▼4割近くが、自宅を訪問した犯人に言葉巧みにキャッシュカードを盗まれ、預貯金を引き出される手口、▼3割ほどが、犯人が管理する銀行の口座に振り込ませる手口となっています。
こうした被害を防ごうと、南都銀行は口座を持つものの、キャッシュカードを使った振り込みや引き出しをATMで行っていない65歳以上を対象に、5日から新たな対策を始めました。
具体的には過去1年以上、▼振り込みをしていない人にはATMでの振り込みをできないようにしているほか、▼引き出しをしていない人にはATMで1日に引き出せる限度額を20万円に制限しているということです。
窓口での振り込みや引き出しはこれまでどおり可能で、職員が対応することで被害を防ぐことにしています。
南都銀行コンプライアンス統括部の後藤田明弘 部長は、「銀行としてもお客様の大切なお金が奪われてしまうのは心苦しい。被害を防ぐために制限を実施したのでどうかご理解いただきたい」と話しています。