「自分の好きなことを伝えたい」子どもたちのマルシェ開催

奈良県の東北部に広がる大和高原にある集落で、この夏、子どもたちのマルシェが開かれました。
そこには、自分の好きなこと、得意なことを伝えようと、懸命に取り組む子どもたちの姿がありました。

天理市の山あいにある山田町で、8月6日に開かれた「てんり高原マルシェ」。
子どもたちがそれぞれコーナーを作り、自分の好きなことや得意なことを、販売や展示、体験などを通して、訪れた人に伝えます。
里山に集い、豊かな心を育んでもらおうと、地域の有志が4年前から開いています。

参加するのは、県内各地から集まった子どもたちで、夏休みに入ると、マルシェに向けた準備が始まります。
マルシェで何をするかを決めるのはすべて子どたちで、幼稚園の時から大好きな指編みを教えたり、くじ引きをする店や、ダンスを教える体験教室など、事前に企画書まで作って、準備を進めてきました。
娘が出店する田原本町の松本久美さんは「やりたいという気持ちが娘からでてくるのを、ひたすら待つところから始まります」と話していて、口を出したいのを我慢して、準備のようすを見守るということです。

広陵町から参加した小学1年生の寺岡樹希くんは、昆虫の展示をしました。
母親の真由美さんによりますと、樹希くんは幼稚園に入ってから、生き物が大好きという気持ちが爆発したということです。
樹希くんが、今回の展示の呼び物にしようと考えているのは、体全体が美しい光沢のある「タマムシ」です。
虫かごと網を持って、懸命に探したと言うことですがなかなか見つかりません。
マルシェの前日になって、ようやく2匹見つかり樹希くんは大喜びだったそうです。
樹希くんの展示コーナーでは、多くの人たちが足を止めて輝くタマムシに見入っていて、樹希くんもうれしそうに、発見した場所などを説明していました。
母の真由美さんは、「自分の“好き”に、いつも真剣に向き合って、楽しみながら自分の“好き”が、このまま続けばいいなと思います」と話していました。