台風7号の影響で県内各地で伝統行事が相次いで中止に

台風7号が奈良県に15日、最接近すると予想されていることから、県内各地で予定されていた伝統行事も相次いで中止となっています。

【法隆寺で台風対策】
台風7号の接近に伴って、奈良県にある世界遺産、法隆寺では国の重要文化財に指定されている金剛力士像を大雨や暴風から守るため木製の板が設置されました。
奈良県斑鳩町の法隆寺には、寺の中心部を囲む回廊の門、「中門」に「金剛力士像」が安置され、国の重要文化財に指定されています。
寺によりますと金剛力士像は土などでできていて、風や雨などの影響を受けやすい場所に置かれていることから14日午前、県の担当者が木製の板を設置しました。
木製の板はたて3.6メートル、横2メートルで像の正面をふさぐ形で取り付けられました。
法隆寺は「像は直接、雨風が当たりやすい場所にあるので木製の板を設置した。台風の被害が少ないことを願っています」とコメントしています。
寺によりますと、台風7号の影響で、15日の拝観は終日、中止にするということです。

このほか▼奈良市の春日大社では、14日夜と15日夜に「中元万燈籠」が、予定されていましたが両日とも中止になりました。
▼また、奈良市で今月5日から開催されている「なら燈花会」も最終日の14日は中止になりました。
▼15日夜、奈良市で行われることになっていた奈良の「大文字送り火」は慰霊祭だけ行われ、送り火自体は中止となりました。
▼奈良市の東大寺で15日夜、行われる予定だった「万灯供養会」は、灯籠を並べることはせず、関係者による法要だけになりました。

【台風接近、観光客は】
奈良市の観光地、奈良公園では訪れていた観光客からは、台風の接近で予定の変更などを余儀なくされたなどの声が聞かれました。
奈良市の奈良公園に、兵庫県から家族と訪れていた50代の女性は、「台風が接近しているので早めに観光に来ました。このあと、京都に向かいますが雨などが大丈夫か少し不安です」と話していました。
また、京都府から友人と訪れていた20代の男性は「あすも出歩く予定でしたが、台風が来るのでやめました。せっかくの観光シーズンなので台風は残念です」と話していました。