飛び火で本殿損傷 奈良市の神社が防火設備を設置

火災の飛び火で国の重要文化財の本殿が損傷した奈良市の神社がインターネットで資金を募るクラウドファンディングなどを活用して、防火設備を設置し、22日、関係者に公開されました。

奈良市西紀寺町にある「崇道天皇社」では、2年前に近くで起きた火災の飛び火で、国の重要文化財に指定されている本殿の檜皮葺の屋根の一部が焦げました。
このため、神社では、去年の秋から防火設備の強化を進め、このほど炎を感知すると自動で水が出る放水銃や消火栓などが完成しました。
22日は、関係者およそ30人が集まって神事が行われ、神職が祝詞をあげたり参列者が玉串をささげたりして、完成を祝いました。
このあと、設備が公開され、参列者は、本殿の周囲に設置された放水銃から自動で水が出る様子や神職たちが消火栓からホースを出して社殿に向かって放水する様子を見学しました。
今回の防火設備の整備にあたっては、国や県の補助金に加えて神社がクラウドファンディングを実施し、およそ620万円が集まったということです。
神社の藤井秀紀宮司は「皆さんの応援で設備が完成したことに感謝している。設備を活用して文化財を守っていきたい」と話していました。