「春日若宮おん祭」描いた屏風の複製 春日大社に奉納

奈良の伝統行事、「春日若宮おん祭」を描いた江戸時代の屏風の複製が完成し、18日、春日大社に奉納されました。

奉納されたのは江戸時代前半に幕府の御用絵師によって描かれた「春日若宮御祭図屏風」の複製です。
屏風は海外に長く流出していましたが、4年前、東京の美術館がアメリカの財団から購入し、その後、東京の印刷会社が春日大社の依頼を受けて複製を制作していました。
屏風には江戸時代の「お渡り式」の様子が描かれていますが、複製でも、貴族の正装で馬に乗る「日使」(ひのつかい)を先頭に猿楽や競馬などの芸能を奉納する人々から最後尾の大名行列に至るまで、当時の壮麗な行列と、それを見て楽しむ人々の姿が細かく再現されています。
18日、春日大社の摂社「若宮神社」で行われた奉納式では、屏風に描かれている大名行列が地元の保存会の人たちの協力で披露されました。
春日大社の花山院弘匡宮司は、「本物と見分けがつかないほど精巧だ。400年前に描かれたおん祭の様子を若宮の神様の前で見ることができるのはすばらしいことだと思う」と話していました。
この屏風は、19日からことし12月10日まで若宮神社で公開されます。