唐招提寺 国宝 金堂の柱に爪で文字 外国人観光客が書いたか

奈良市の世界遺産「唐招提寺」の国宝の金堂の柱に、17歳の外国人観光客の少年が爪で文字を書いているのを別の観光客が見つけました。
警察は、文化財保護法違反の疑いで少年から話を聞くなどして調べています。

警察によりますと、7日午後1時すぎ、奈良市にある世界遺産「唐招提寺」の国宝の金堂の南西隅の柱に、外国人が爪で文字を書いているのを通りかかった観光客が見つけ、寺の職員に通報しました。
寺からの通報を受けた警察が確認したところ、柱の高さ1メートル70センチほどの場所に、爪でひっかいたようにアルファベットの「J」などと記されているのが見つかりました。
警察によりますと、文字を書いたのはカナダ国籍の17歳の少年で、寺には家族と観光に訪れていたということで、警察の調べに対し、「爪で文字を書いたのは間違いない」と話しているということです。
警察は、文化財保護法違反の疑いで少年から任意で話を聞くなどして詳しい状況を調べています。
唐招提寺は、奈良時代に当時の中国の高僧・鑑真によって開かれた寺で、金堂は、創建当時の建築様式を今に伝える貴重な建物として国宝に指定されています。
寺の担当の僧侶は、「インバウンドの観光客が増える中のできごとで、今後も同様のことが起きないか、心配している。悪意がないとはいえ、残念で悲しいできごとで、今後、外国語の掲示を設けて注意喚起をするよう考えている」とコメントしています。